日本航空ダグラスDC-8C 就航案内 1959年ごろ
日本航空は1960年9月 日本の航空会社としては初のジェット旅客機であるダグラスDC-8-32を導入しロスアンゼルス便に就航させた。このパンフレットはそれに先立ち、導入用PR資料として制作されたものと思われる。
当時としては厚手の紙を用いてすべてカラーのたいへん豪華なパンフレットであり、同社のジェット機導入の意気込みが感じられる。
まだ日本人の海外旅行が一般化される前、ターゲットとしていた顧客はアメリカ人であったため、きわめて日本調を強調して日本の航空会社である事をPRした内容になっている。
表紙:当初DC-8Cと呼ばれていた。これには諸説有り、開発コードが-30で-10から数えて3番目であるから・・当時他社がDC-8を既に多く就航させていたため、他社との差別化のために「C]を加えた・・既に使用しているDC-7Cと並べて「C]を付けた・・・などの説が有るが今となっては謎?


見開き:実機写真は無く、このような詳細なイラストで機体各部の説明を行っている
 
ファーストクラスの和風ラウンジ。障子に畳風のカーペット、和服姿のスチュワーデス。外国人が乗客ターゲットであった事が象徴されている。
いったいどんな人々がここを利用したことだろう。


ファーストクラスのシートは西陣織。座りごこちはどうだったのだろう。

DC-8のシートは肩部に照明ライトが有った。

荷物を入れる棚はハットラックと呼ばれ、文字どうり帽子など軽量物しか載せられなかった。


性能面での記述も充実している 1960年の初就航時に導入された4機のDC-8-32には、それぞれ日本の代表的観光地名が愛称として与えられた。
JA8001「富士」 JA8002「日光」 JA8003「箱根」 JA8005「宮島」
このうちJA8003「箱根」は61年4月羽田で中破、改修されてJA8008「松島」となるが、逸話としてこの機体は通称「元箱根」と呼ばれたそうである


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