Boeing XF8B

第二次大戦中の1943年にボーイングに対して開発要求した長距離進攻戦闘機。同じ要求仕様で開発されたグラマンF7Fが双発だったのに対して、ボーイングは当時最大馬力のP&W R4360ワスプメジャー単発を選択、強大なカウンタートルクを打ち消すため二重反転プロペラが採用された。戦闘機としての能力の他に艦爆、艦攻能力も求められ、単座単発機としては珍しく胴体内には爆弾倉が設けられ500lb爆弾4個が収容可能で、機外には魚雷2本の搭載も可能だった。これら要求を満足する機体は大型とならざるを得ず、戦闘機としての運動性能に劣りまた空母への搭載機数も減ることから、中途半端な性格となり3機の試作機が作られるに留まった。

P&W R4360を搭載した機種としては最も古い機種の一つではないかと思います。巨大なワスプメジャーが小さく見えるほど機体は大型ですが、低翼単座機としてはやはり強大なタートルク対策として二重反転プロペラや大型のドーサルフィン付き垂直尾翼が印象的です。この時代、他にダグラスTB2DスカイパイレートやカーチスXBTCなど、同じく単発機でR4360を搭載した機種が有りましたが、どれもものに成らなかったのは、やはり大柄なR4360は単発機には不向きだったようです。

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