Supermarine Scimitar F.1

1950年代末から1960年代前半、シービクセンとともに英艦隊空軍の主力となった戦闘攻撃機。大戦終了直後から英海軍はジェット機の開発を進め、スーパーマリン社は直線翼、V字尾翼のジェット戦闘機を設計。これに後退翼とエリアルールが施されエンジンも強力なRRエイボンを搭載。緩降下で音速を突破する性能を発揮し、1958年にはシミターの名称でホーカー・シーホークに代わり部隊配備された。フラップに空気を吹き付ける境界層制御機構を装備し着艦速度を10%低下させ、仰角も抑えることで視界を確保し着艦性能を向上させた。シミターは核兵器搭載可能な最初の機種となったが、後継機のバッカニアの登場とともに戦闘爆撃機としての役割を終え、燃料ポッドを装備してバッカニアへの空中給油機として1966年まで使用された。また、スーパーマリン社はシミターを最後にはビッカースに吸収され、その名は消滅した。発動機:RRエイボン ターボジェットX2 最大速度:1185km/h(SL)

シミターは地味な印象ですが英海軍で最初に核兵器搭載可能な戦闘攻撃機であり、また最後のスーパーマリンの社名がつく機種でもあります。優雅なラインを持つ機体は美しく、名門スーパーマリンの血が流れている事を感じます。BLCを搭載するなど着艦速度を下げる工夫がなされましたが、当時の空母の飛行甲板に対しては大型で高速度での着艦では事故も多く、全生産数の半数にあたる39機が事故により失われています。

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