Ambrosini SAI.207

この極端に細く絞ったプロポーション、元来は戦闘機ではなくレーサーだった事がよくわかります。
1939年にアンブロッシーニで開発された木製レーサーの高性能に着目したイタリア空軍が戦闘機への転用を考え、大出力のエンジンに変えるなどの変更を施し1942年に原型が初飛行しました。その後も改良がくわえられ、1943年にはイタリア空軍から大量発注を受けますが、10数機が完成しただけでイタリアは降伏、数機しか実戦配備されずに終わってしまいます。

木製の機体は自重1.75tと軽く、イソッタ・フラスキーニ空冷V型12気筒750馬力でも625km/hの最高速度を出しました。
武装は20mm機関砲X2+12.7機銃X2、と意外と強力です。このような軽戦闘機でももう少し早い時期に数が揃っていたら、かなりの戦力になったのではないでしょうか。


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