Blackburn Roc

動力銃塔を搭載した複座艦上戦闘機。同じく動力銃塔付の空軍機デファイアントが翼折りたたみ構造に変更できず艦上機仕様にできなかったため、艦上爆撃機スキュアをベースに開発された。しかし890hpのブルストル・パーシューズでは動力銃塔が載ったことなどによる重量増加に対応できず運動性能が低下するとともに、風防が障害となり前方へ向けて機銃が発射できず、空母への配備も行われず実戦参加もなかった。

デファイアントとともに失敗作の代名詞的に扱われ、この種の機体に動力回転銃塔が有効かどうか大いに疑問も有り、このような機種に乗らざるを得なかった搭乗員には気の毒ですが、7.7mm4連装回転機銃を振り回して敵を撃退するという発想をそのまま形にしてしまう、その努力と情熱、そしてなんとも憎めない機体のライン、好きな飛行機の一つです。
駄作機と称してこの種の機種を面白おかしく書く本が有りますが、個々の機種開発者の真摯な取り組みを考えると個人的には不愉快な本の一つです。


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