Fairey Gannet ECM.6

1945年に英海軍が提示した要求仕様によりフェアリーが開発した艦上対潜攻撃機。「マンバ」ターボプロップエンジンを2基並列連結使用した「ダブルマンバ」エンジンにより、二重反転プロペラを駆動。片方のエンジンを停止して航続距離を延ばす事が可能であった。1949年に初飛行し翌年にはターボプロップ機として初の空母着艦試験に成功。1955年から空母への配備が始まり、アベンジャーやファイアーフライと交代していった。1958年には胴体下面に大型の早期警戒レーダーを装備し、複座とした早期警戒機型が登場。西ドイツ海軍、オーストラリア海軍、などでも使用され、英海軍では1978年に全機退役している。発動機:アームストロング・シドレー「タブルマンバ」ターボプロップ(2950hp)X1 航続距離:1500km 武装:爆弾倉内に900kg爆弾X1または魚雷X1 固定武装:なし 乗員:3名

一見単発機に見える大型の二重反転プロペラ。魚雷搭載可能な大型の爆弾倉と並列のターボプロップエンジン+ギヤボックスを収容する背の高い胴体。着艦視界確保のため機体の前上方に出っ張った操縦席と続くオペレータ席。爆弾倉を避けるように配置した中翼と、脚の長さを稼ぐための逆ガル翼。その翼をできるだけ低く畳むためのダブルヒンジの翼折りたたみ機構。垂直尾翼高さ制限により水平尾翼に追加された垂直安定板・・・「形態は機能に従う」という言葉が有り、その結果生まれた形は「美しくなる」というのが定説ですが、この機種は「美しさ」には様々な概念が有ることを教えてくれます。

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