North American FJ-4B FURY

米海軍は1945年、ジェット艦上戦闘機の開発をノースアメリカンに指示。翌年に初飛行した直線翼の機体はFJ-1となり量産の方向にあったが、すでに当時後退翼の効果が認められており、後退翼を採用し速度性能が上回る空軍のF-86Eが登場。これを基本に着艦フックなどの艦上機装備を施したFJ-2を開発。エンジン強化、航続距離増大などの改良を加えFJ-3とし、更に空対空ミサイルなど武装強化と速度性能を向上させたFJ-4を量産することとなった。FJ-4Bは戦術核爆弾が搭載可能で、空中給油プローブ装備により航続距離も増大している。主翼平面形も変わり胴体その他ほとんどが新規設計となり、F-86とは似て非なる機体となった。1958年まで量産が続けられ海兵隊と合わせて各型1148機が量産され1960年代まで使用された。エンジン:GE-J65、最大速度:536kt/10000ft 武装:20mm機銃X4

FJフューリーシリーズは各型で大きく印象が異なる。直線翼で胴体の短いFJ-1、F-86と最も近いFJ-2/3、主翼平面形と胴体シルエットが大きく変わったFJ-4、各型ほとんど別の機種と言っても良いほどである。この変化は正常進化形でもあり、進化の方向が分散するのではなく、一つの方向性に向かって少しずつ改良を重ねて行くノースアメリカンの手堅い設計思想を示すとともにF-86の基本設計の良さをも感じさせる。
 
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