Blackburn Blackburn U

敵艦隊を発見するための偵察任務と弾着観測を目的とする機種として同社のダート雷撃機をベースに開発された。特に航続距離と乗員の疲労防止、偵察観測を行う視界の広さが要求されたため胴体中央部の高さを増し下部に観測窓付きキャビンを設け、高い位置の操縦室からの視界確保のため機首は下に下げられたため全体としてたいへん奇妙な形態となったものの、操縦性、実用性に問題なく1931年に後継となるフェアリーVが登場するまで10年近く使用された。発動機:ネピア・ライオンU水冷W型12気筒450HP、乗員:3または4名

社名を機名にしたとなるとよほどの自信作だと思いますが、この図体で艦上機としての操縦性、実用性に問題無く10年も使用されていたとは驚きです。操縦席や後部銃座は屋根なし解放座席なのに対して、観測・通信員は雨風しのげる個室付き。どうしてここまでして観測窓と乗員スペースを確保しようとしたのかが気になります。フェアリー・バラクーダもそうなのですが、イギリス海軍の思想として、よほど偵察観測員の任務遂行環境を良くしたかったのかと。他国機では見られない傾向なので興味深いです。

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