Focke Wulf Ta154 Mosukito

フォッケウルフはドイツ空軍からのデハビランド・モスキートに対抗する双発夜間戦闘機の開発の要請に対して、軍需物資のジュラルミン不足を考慮しモスキート同様の木製を基本とする機体を開発した。完成した機体はエンジン馬力の不足もあり速度性能が低かったが操縦性は良く、改良を考慮しながら量産を始めようとしたところ、1944年6月、木製構造の接着材が金属部品を腐食させるという構造的な欠陥による空中分解事故を相次いで起こしたため計画はあえなく中止となる。
発動機:ユンカースJumo211液冷倒立V12気筒1500hpX2 最高速度:635Km/h 武装:30mm機関砲X2 20mm機銃X2


アルバトロス旅客機などで木製構造の経験を積んだデハビランドに対して、さすがのクルト・タンクもこのTa154の失敗を見ると木製に関してはノウハウが少なかったのでしょうか。金属構造より木製の方が理論では解析できない経験値としてのノウハウのがより多く必要だったのかもしれません。Ta154は側面図だと機首が見えなくなり、絵として構図は今一つです。実機の側方視界はイラストでもわかるように、きっとエンジンナセルで視野が塞がれていたことだと思います。
細身の機首は機体とのバランスも良くきりりと引き締まっています


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