McDONNELL F3H-2 DEMON

デモン(悪魔)という名前のように、この飛行機は独特の怪しい雰囲気を漂わせています。子供の頃初めて見た白黒のボケた写真では、試作機で犠牲者が多かった事から「殺人機」と呼ばれたという記述とともに戦慄を覚えました。運動性を良くするため重心位置にできるだけ近づくよう前方に配置された単発のエンジン排気口は、後ろから見ると妖怪の口をイメージします。十分なモーメントを得るためその後ろに取り付けられた尾翼は悪魔の尻尾のようにも見えます。短い機体後半のバランスをとるように機首は短いクチバシ、離着艦の視界を確保するため大きく張り出したキャノピーは飛び出した目玉でしょうか。
独創的なこの悪魔は、総生産数500機余でしたが、そのスタイルは後の幽霊(F4H)に引き継がれ大成功を収めたのでした。

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