愛知 E16A1 水上偵察機 瑞雲

海軍は昭和15年、愛知に偵察に加え急降下爆撃や空中戦も行える水上偵察機の開発を指示。愛知は水上機としては高い翼面荷重、空戦フラップとしても使用する親子式二重フラップ、エアブレーキを装備したフロート支柱など、新機軸をもって要求性能に近づけようとした。昭和17年に初飛行しまずまずの性能を発揮。制式採用となり昭和19年から量産、実戦配備されるものの、戦況の悪化から水上偵察機の任務は夜間での限定的なものとなり、フィリピン、沖縄で対地攻撃で小規模な戦果を挙げるに留まった。
発動機:金星五四型空冷星型14気筒(1300Hp) 最大速度:448Km/h 武装:20mm固定銃X2 13mm旋回機銃X1 乗員:2

フロート付きの水上偵察機に急降下爆撃や空戦性能も要求するという、無茶な仕様を提示された愛知の技術者はどのような心境だったのでしょう。技術的な困難に奮い立ったのか、用兵者の無理難題に呆然としたか・・愛知ではありませんが、堀越次郎さんの「冷静な思考と誠実な努力は何物にも打克つ」という言葉を思い起こす機種の一つです。

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